お茶の美味しい入れ方[保存版]

お茶を美味しく入れる方法は、慣れてしまえばとても簡単です。この記事では、私のこだわりも含めて細かく書きますが、あまり肩肘はらずに、自分のスタイルで入れてもらった方がいいと思っています。

とはいえ、それぞれのステップは、きちんと理由があってやっていることですので、それを理解して実践してもらった上で、自分流にアレンジして頂くのがよいのかな、と思っています。ここでは、煎茶と玉露をメインに説明します。

<1> お湯を沸騰させる

水道のカルキ臭が気になる地域の方は、この工程が大切です。カルキの程度によりますが、2〜3分沸騰させるとカルキ臭が抜けていきます。
浄水器などを使っている場合は、わざわざ沸騰させる必要ありません。

<2> お湯を冷ます(湯冷まし)

一煎目の理想的な湯温の目安は、以下の通りです。

お茶の種類 湯温
煎茶 70〜80度
玉露 60〜70度
一般的には、上級になるほど、「ぬるく出しても濃厚な味になる」傾向があります。
最高級の玉露になると、50度くらいまで湯冷ましをしてもトロッした濃厚な味が楽しめます。

また、温度と関連して、「このお茶は水出しができるのか?」という質問を頂くことがよくあります。
実は、基本的にはどんな茶葉でも時間さえかければ水出しできます。10度以下の水温で、細かめの葉で10分程度、しっかりした葉でも1時間程度もあれば味が出てきます。玉露の水出しなんかは、とても甘くて美味しいですよ!

なぜ、煎茶が80度で玉露は60度まで冷ましていいのか?といった疑問にはまた別の記事で書こうと思います。

お湯は「渡らせて」冷ます

冷まし方は、「お湯を渡らせる」です。入れ物を移動させると5〜10度ずつゆっくりとお湯が冷めていきます。

  1. まず、お湯を湯呑みに人数分継ぎます。
  2. その次に、急須にお湯を移します。
  3. しばらく待って、また湯呑みにお湯を戻して下さい。

この作業をゆっくりやれば、沸騰したお湯も80度になっています。
70度くらいまで冷ましたい時は、湯冷まし用に別の容器を往復するか、そのまま3〜4分ほど冷めるのを待って下さい。

ポイントは、ゆっくり移動させることです。お湯は冷たい湯呑みに触れて徐々に冷めていきます。お湯を移動させたら、しばらく待って十分に茶器にぬくもりが伝わってから、移動させてください。

<3> 茶葉を急須にいれる

100cc(ml)あたり2g程度が目安です。写真では250cc程度のお茶を入れてますので約5gの茶葉を入れてます。

実は、おすすめの茶葉の量は、お茶屋さんによって言うことがかわります。
粗い形状の茶葉(浅蒸し)の場合はたっぷり使って、細かい形状(深蒸し)の場合は少なめでも味が出ます。
100cc辺り2g程度というのは、やや細かめの形状の茶葉を想定しています。

茶葉の量に、あまり神経質になる必要はありません。特に上級の茶葉は、たくさんいれた方がコクが感じられて美味しくなります。このあたりはお好みで調整ください。ただ、下級煎茶をたっぷり茶葉で、さらに熱めのお湯で作ると、渋味やえぐ味が出るので要注意です。

<4> お湯を急須に注いで急須に蓋をする

湯呑みに入っているお湯をゆっくり急須に注いで下さい。

ここで、お茶が出来上がるのを待つ時、急須に蓋をするかどうかは実は議論が別れるところです。
急須に蓋をしない派の理由は「茶葉を蒸らさない」ためです。

私もその意見に完全に同意ですし、そうやって出すこともあります。
ただ、もっと美味しくするのは、蓋をした上で次の工程を挟むことです。

<5> 急須を水平方向にかるく揺すって茶葉をおどらせる

ゆっくりと水平方向に急須を回してお湯をチャプチャプと動かして下さい。そうすると、急須の中で茶葉が踊り、抽出時間の短縮が出来ます。

この工程は必須ではありませんが、時間の短縮とともに、蒸れの防止にも繋がるのでオススメです。

あまり勢い良く急須をふるとお湯が溢れるので注意して下さい。

お湯の温度別の抽出時間の目安です。

お湯の温度 茶葉を踊らせる場合 茶葉を踊らせない場合
90度 20〜30秒 40〜50秒
80度 30〜40秒 50〜60秒
70度 40〜50秒 60〜70秒
60度 60〜70秒 80〜90秒
茶葉を踊らせない場合は、急須の蓋をあけたままにした方がよいです。蓋をしたまま、じっと1分以上待つと、茶葉によっては、すっきりしない、蒸れた感じの味になります。

<6> 味が均等になるようにお茶を注ぎます

急須に入ってるお茶をそのまま注ぐと、はじめは薄くて、最後の一滴に近づくに従って味も色も濃くなってきます。

これを均等な味にするために必要なのが「廻し注ぎ」と呼ばれる注ぎ方です。

一応、図解すると次の通りで、①→②→③→④・・・と順番にちょっとずつお茶を注いでいくことで味を均等にします。

あまり細かい順番は気にしなくてよいですが、なるべく小分けにお茶を注いで味と色を均等にすることを意識してください。

最後の一滴までしっかり注ぎきって下さい。

最後の一滴は「Golden ball(ゴールデンボール」「黄金の一滴」と言われて味が凝縮されています。

二煎目に備える

最後の一滴をきちんと出し切ることは、二煎目の味を落とさない、という意味でも大切です。
上で述べた通り、蒸れてしまうと味が落ちるのがお茶です。ここでなるべく水をきっておきます。

そして、急須をポンっと叩いて、茶葉を急須の真ん中に寄せておきます。これで空気通りがよくなって蒸れがさらに防げます。

美味しいお茶のいれ方

蒸らし防止

<7>二煎目は熱いお湯で入れる

二煎目はやや熱めのお湯でお茶を入れます。一煎目+10〜20度くらいが目安です。
お湯をいれて、20〜30秒程度でさっと出して下さい。茶葉が十分に開いているので、待つ必要がありません。

お茶を入れるとき、なぜ湯冷ましする必要があるの?

上記にあるとおり、お茶を淹れるときは、特に一煎目は湯冷ましをおすすめしています。
では、なぜ湯冷ましをした方がいいのか?は、ちょっとだけややこしい話になりますので、別の記事で後日ご紹介します。

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