茶産地の年越し風景「手揉み製法」で作った茶を献茶してきました

現在、日本で親しまれている「煎茶」の製法は、江戸時代に京都・宇治田原で発明されました。
当時発明されたのは、焙炉(ホイロ)の上で手で揉みながら製茶する「手揉み製法」です。

炭火の上に助炭(柿渋で強化した厚手の和紙)を敷いて、手で揉みながら乾燥させるという方法でした。

また、現在の製茶方法は、手揉み製法を機械で再現するようにしたものです。
例えば、「茶葉を練る工程」というのがあります。

手揉みではこんな感じ 
機械ではこんな感じ 

写真なので、わかりにくいですが(汗)、両方とも、上から圧力をかけて、茶葉を転がしながら練ります。
他の工程も含めてですが、基本的には同じ順序、方法で茶葉を仕上げていきます。

手だけで作ると、1~3kg程度の茶葉を作るだけで5時間以上の時間を要するので、昭和の初期から、ほとんどが機械化されてきたと聞いています。

ここ宇治田原では、毎年、年越しは、製茶法の発明者である「永谷宗円翁」の生家にて、その伝統的な「手揉み製法」で茶を作りながら年を越します。そして、出来上がったお茶を、年明け早々の未明に、茶の神社である「茶宗明神社」に、献茶するのが伝統行事です。

私、揉み手の1人として、2018年も手揉みに参加して、今年1年、美味しいお茶が作れるよう、茶の神様にお祈りをしてきました。

そして、献茶して余った分を家に持って帰って、おせちの前に頂く一杯が、最高に美味しいのです。

ちなみに、手揉みの茶を買えないか?というお声を頂くことがありますが、基本的に現在ではほとんど市販されていないです。
大変な手間がかかるということや、保存性能が悪いなどといった理由です。たまにやっている手揉み体験のイベントに来ていただいて飲んで頂く、というのが一番よいと思います。

こちらが手揉みを実施する会場の「永谷宗円生家」です。
実際に、江戸時代に使われていた焙炉も残っています。

この隣にお茶を祀った「茶宗明神社」という神社がありますが、ここに献茶をします。
今年も無事に、献茶ができて感謝です。

ちなみに、この永谷宗円生家は、週末は、生家の中にも入れるように、近所の方が鍵を開けてくださっています。
ぜひ、一度、緑茶がはじめて作られた「焙炉」を見てみてください。
そして、隣にある茶を祀る「茶宗明神社」へお参りしてみてください。

すごく静かで、空気が綺麗なパワースポットです。

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